2008年07月01日
オーバーステイの在留特別許可
オーバーステイ(不法滞在)のお客様の在留特別許可をもらうために東京入管へ行って来ました。
本来は逮捕されて収容され、退去強制(いわゆる強制送還)となるのですが、事情によっては法務大臣から特別の許可をいただける場合があります。
条件はいろいろあって、明確なものではありませんが、不法滞在以外に罪を犯していないことや、日本人の配偶者だったり、日本に貢献していたり、在留しても日本に害がない、または利益があるといった方に許可が下りるわけです。
一部ではオーバーステイの逃げ場所のように考えて許可申請をする人もいて、窓口の係員の表情と口調の険しいことといったら、付き添って待っているこちらもビビリそうなくらいです。
実際、二人前のカップルは摘発逃れの偽装結婚と決め付けられ、大声で怒られ、言い合いになっていましたし、取調室から出て来る女性が号泣していたりと、なかなかの修羅場となっています。
しかし、よく見ていると、怒ったり泣いたりしているのはアジア系でも中国、モンゴルといった人たちで、フィリピン系の人たちは子連れだったり、その場で他の人と友達になってワイワイやってます。
民族性の違いかもしれませんが、興味深いものです。
今回のお客様は韓国の方で、しばらく同居された上でご結婚もされており、大きな消極的要素はないかと思われました。
しかし、窓口に並んで前の人の受付の様子を見て、だんだん青ざめてきて「コワイ、コワイ」と震えています。
「大丈夫ですよ、あの人は悪質だと思われてるから、あんなに問い詰められているんですよ、あなたは悪いことはオーバーステイだけだから心配ないです。」と落ち着かせましたが、やはりかなり緊張しています。
受付の尋問は自分で受け答えしなければならないので、事前に想定問答を覚えてもらいました。
もちろん、虚偽のことではなく、係官にわかりやすいように答える練習で、想定される質問に対して簡潔に答えられるよう指導しました。
たとえば「どうしてオーバーステイになったの?」「どうして今まで出頭しなかったの?」といった基本的な質問について、わかりやすく説明できるようにしてもらうわけです。
あまり支離滅裂なことやつじつまが合わないことを言うと、偽装とか、他の罪を隠しているのではないかと疑われ、お泊り(収監)の取調べになってしまう恐れがあるからです。
前に並んでいた中国の人はいろいろ隠していたボロが発覚してしまったらしく、「今日は帰れないよ」と宣告されてしまっていました。
さて、うちのお客様の番になって、そろえた書類を見せて事情を説明すると、これまでとはちょっと違って柔らかい対応です。
しかし、お決まりの「あなたは日本の法律を犯しています、日本の法律を守れない人は出て行ってもらわなければなりません。今回許可を願い出ても許可になるとは限りません、ここで自主的に帰れば一年のペナルティでまた日本に来られますから、一度帰ったらどうでうか」という口上は言われました。
お客様は打ち合わせどおり「オーバーステイについては反省しています。私は結婚して、家族で住んでいて、家事をしています。年老いた義父、義母の世話もありますから一年間家を空けるわけにはいかないので、許可をお願いします。今後は日本の法律を守ります。」と答えるはずでした。
・・・が、頭の中が真っ白になって固まってしまっているようです。
しかたなく「日本にいたいんだよね?奥さん」と声をかけると、やっと気がつき、なんとか答えることができました。
すると「そうですか、じゃあ、詳しい話をお聞きしますから、この番号札でお待ち下さい」とあっさり受け付けていただきました。
ほっとしたのもつかの間、今度は個別の尋問です。
ここでは申し立てていることが事実かどうか、本当に結婚しているのか、同居しているのかなどをしつこく聞かれます。
「車は何乗ってるの?ナンバーは」とか、「朝何食べた?」とか、あげくには「二人はどうやって寝てるの?」まで、プライバシーに立ち入った質問を夫婦個別に聞かれます。
ここで、あまりに答えがかけ離れていたりすると偽装を疑われるわけです。
ひととおりの質問が終わり、追加書類の提出を命じられた二人はぐったりとしていましたが、無事家に帰ることができました。
あとは、審査を待ち、何度か呼び出されたあとで許可がいただけると思います。
一部ではオーバーステイの逃げ場所のように考えて許可申請をする人もいて、窓口の係員の表情と口調の険しいことといったら、付き添って待っているこちらもビビリそうなくらいです。
実際、二人前のカップルは摘発逃れの偽装結婚と決め付けられ、大声で怒られ、言い合いになっていましたし、取調室から出て来る女性が号泣していたりと、なかなかの修羅場となっています。
しかし、よく見ていると、怒ったり泣いたりしているのはアジア系でも中国、モンゴルといった人たちで、フィリピン系の人たちは子連れだったり、その場で他の人と友達になってワイワイやってます。
民族性の違いかもしれませんが、興味深いものです。
今回のお客様は韓国の方で、しばらく同居された上でご結婚もされており、大きな消極的要素はないかと思われました。
しかし、窓口に並んで前の人の受付の様子を見て、だんだん青ざめてきて「コワイ、コワイ」と震えています。
「大丈夫ですよ、あの人は悪質だと思われてるから、あんなに問い詰められているんですよ、あなたは悪いことはオーバーステイだけだから心配ないです。」と落ち着かせましたが、やはりかなり緊張しています。
受付の尋問は自分で受け答えしなければならないので、事前に想定問答を覚えてもらいました。
もちろん、虚偽のことではなく、係官にわかりやすいように答える練習で、想定される質問に対して簡潔に答えられるよう指導しました。
たとえば「どうしてオーバーステイになったの?」「どうして今まで出頭しなかったの?」といった基本的な質問について、わかりやすく説明できるようにしてもらうわけです。
あまり支離滅裂なことやつじつまが合わないことを言うと、偽装とか、他の罪を隠しているのではないかと疑われ、お泊り(収監)の取調べになってしまう恐れがあるからです。
前に並んでいた中国の人はいろいろ隠していたボロが発覚してしまったらしく、「今日は帰れないよ」と宣告されてしまっていました。
さて、うちのお客様の番になって、そろえた書類を見せて事情を説明すると、これまでとはちょっと違って柔らかい対応です。
しかし、お決まりの「あなたは日本の法律を犯しています、日本の法律を守れない人は出て行ってもらわなければなりません。今回許可を願い出ても許可になるとは限りません、ここで自主的に帰れば一年のペナルティでまた日本に来られますから、一度帰ったらどうでうか」という口上は言われました。
お客様は打ち合わせどおり「オーバーステイについては反省しています。私は結婚して、家族で住んでいて、家事をしています。年老いた義父、義母の世話もありますから一年間家を空けるわけにはいかないので、許可をお願いします。今後は日本の法律を守ります。」と答えるはずでした。
・・・が、頭の中が真っ白になって固まってしまっているようです。
しかたなく「日本にいたいんだよね?奥さん」と声をかけると、やっと気がつき、なんとか答えることができました。
すると「そうですか、じゃあ、詳しい話をお聞きしますから、この番号札でお待ち下さい」とあっさり受け付けていただきました。
ほっとしたのもつかの間、今度は個別の尋問です。
ここでは申し立てていることが事実かどうか、本当に結婚しているのか、同居しているのかなどをしつこく聞かれます。
「車は何乗ってるの?ナンバーは」とか、「朝何食べた?」とか、あげくには「二人はどうやって寝てるの?」まで、プライバシーに立ち入った質問を夫婦個別に聞かれます。
ここで、あまりに答えがかけ離れていたりすると偽装を疑われるわけです。
ひととおりの質問が終わり、追加書類の提出を命じられた二人はぐったりとしていましたが、無事家に帰ることができました。
あとは、審査を待ち、何度か呼び出されたあとで許可がいただけると思います。
Posted by 万城目 淳 at 10:59│Comments(0)│入管関係トラブル
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