2008年03月23日

不許可はつらい

ビザの延長のお話。

結婚ビザを延長するためには当然、ご夫婦としての実態があり、同居していることが必要。

ていうか、夫婦として一緒に日本で暮らすためにビザをとってそれを延長するということで、当たり前だけど・・・・。

今回のお客様、数年前に来日、日系人のご主人と結婚、それぞれ仕事をされていたが、前回のビザの更新後、ご主人が仕事の関係で遠くへ行かれてしまい、音信不通になったとのこと。

「アサワコ、パロパロダカラ」(うちの旦那浮気者だから)

奥さんは怒ってしまい、喧嘩別れの状態になっているようだ。
しかし、ビザの延長にはご主人との結婚事実が必要なので、なんとか連絡をとってもらうように話した。

しばらくして、どうしても連絡が取れないので、単独で更新手続きができないかと相談された。

パスポートを見ると「定住者」になっており、ダメモトで申請してみることになった。

とりあえずご主人関係以外の書類を揃えて東京入管へ、こういう込み入った話は水戸だと難しいのでつくばエクスプレスに乗って上京。

受け取ってもらえたものの、やはり一月後にご主人の書類という連絡が来た。
もう一度状況を説明し、本人にもご主人と連絡を取るように話し、猶予をもらうことができた。

東京入管の担当は親切で、いつまでたっても届かない書類を半年間待ってくれたが、結局届く見込みがないと判断され、ついに赤紙が届いた。

我々が申請をすると通常は本人出頭が不要なのだが、不許可の場合にはハガキに本人が出頭するようにというスタンプが押され、上下に赤いラインが印刷されて送られてくる。

本人に連絡すると、同じものが来ていたらしく、文面を読めない彼女はビザが下りたと勘違いして喜んでいる。
つらいが嘘をつくわけには行かない。

「シグロ、ヒンディプエデ」(たぶんダメだよ)

そう告げても、信じないので、しかたなく一緒に品川へ行くことに。

約束の当日、「もしかして大丈夫かも」「やっぱりだめだよね」と数分おきに繰り返す彼女のボヤキを聞きながら車と電車と都バスを乗り継ぎ、品川入管の個室へ。

結果は予想通り、出国準備のビザに変更してください、だった。
気落ちする彼女を慰めながらの帰路は辛かった。

アパートまで送ってお別れする。

「センセイ、サラマッ!」(先生ありがとう)

「パアノ?」(どうする?)

「TNT?!」(逃げちゃう?!)


そりゃまずいよ。
でも、別れ際に彼女に笑顔が戻ってよかった。


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Posted by 万城目 淳 at 06:55│Comments(0)入管関係トラブル
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